115.生物多様性入門 [生物]
相変わらずの忙しさで更新が滞ってます。来てくださる皆様、申し訳ねぇっす。あと半年は超忙しいかと。
でも本はいろいろ読んでる。それをちゃんと紹介しようとしてるうちに時間が無くてどんどん更新が先へ~www
そこで軽く記事を書いて少しマメに更新することにしました。特に今年は生物多様性年で、今まさに名古屋で会議が行われているわけで、本当はその前に3・4冊紹介しようとしたのに、会議が終わってしまう-。
ってことで、今週は岩波ブックレットの「生物多様性入門」。
いやぁー、ベタなネーミングですな。普通なら買いませんがな、ボクは。
でも中学生に読めそうなものをかたっぱしから読んでみて、これが読みやすく、読みにくく、つまりこのブログの狙いの思考力と読解力とちゃんとした知識を身につけるのに、まぁ一番良いかなと思い、トップに紹介することにした。
薄いのですぐ読めるしね。ボクのは今生徒に回し読みさせてる。「一週間で読んで次に回せやー」ってことで。
さて、本の中身の紹介の前に、夏前からこの生物多様性関連の本の紹介の時に出そうと思っていて、ついに秋っつーか、明日は冬の寒さって頃になって、いくら何でも季節外れな写真を。
鎌倉人が送ってきてくれたカメムシの脱皮。えー、季節外れの上に農家の天敵じゃん、なんて言わないの(←死語、いや死ギャグか)。
写メなので画質はイマイチだけど、古い体を脱ぎ捨てた決定的瞬間。
足が黒くなってきた。下が本体だよ。上は脱ぎ捨てた古い殻。
模様が出てきた!
しばらくたって見たら殻が無くなってたって。食べた?カメムシ特有の金属光沢が出てきた。
できあがりー
別の個体だろうけど、卵を産んでるお方。
「生物多様性」という言葉を聞いたとき、まずイメージするのは豊かな自然を守らねば!ってことだとおもうけど、当然それがまず第一にあるんだけど、今回のCOP10、というかCOP1からズーッと、討議されてきたのはそれだけではないんだね。
ここんところ、ずいぶん新聞でもTVでもやってるから分かっただろうけど、生物の多様性が持つ経済的な価値を、どう算定し、どう保護し、その費用をどう分担し、その恩恵をどう分配するか、という、かなりな難題も討議するんだね。
さて、まず生物多様性だけど、3つの視点がある。
①生態系の多様性
②種の多様性
③遺伝子の多様性
その生物多様性は、人間社会が生態系から受けるあらゆる利益を意味する「生態系サービス」の源泉でもあるわけだよ。本から抜粋した。
で、生態系サービスとは、
①食料や燃料などの資源を供給するサービス
②水の浄化や災害防止など、私たちが安全で快適に生活する条件を整える調節的サービス
③さまざまな喜びや楽しみ。精神的な充足を与えてくれる文化的サービス
④それらのサービスを生み出す生物群が維持されるために必要な一次生産(光合成)やや生物間の関係などを支える基盤的サービス
なんだね。これらの恩恵の経済的価値を考えて、みんなで分担して保護し、みんなで利益を享受しようと会議をしてるわけだね。
義務と権利の話しなので、それはそうはうまく話しは収まらないわけだがねー。
例によってやんちゃなアメリカはそっぽ向いてるし。
議長国日本はそれらをまとめて、はたして何か数値を入れられるだろうか。
ところで、この本を読んでたら、日本の両生類は74%が固有種なのに対して、イギリスでは固有種がいなく、哺乳類も日本では39%が固有種なのに対してイギリスではやはり固有種がないと書いてあった。
実は日本は世界の中でもかなり多様な生物が住んでる地域なんだよね。しかもそのほとんどが絶滅危惧種というありさま。オーマイガッ!
そういう生物多様性が高い地域でありながら、絶滅の危機も高まっている地域を生態系ホットスポットというらしい。もちろん日本は生態系ホットスポットなわけだね。
この生態系ホットスポットはコンサベーション・インターナショナル(Conservation International)っていう国際NGOが発表している。
その日本支部のHPにいくといろいろ興味深い記事や写真があっておもしろいよ。 →私を押して。
いやぁ、まだ書きたいことの半分ぐらいなのにすっごい長くなってしまった。^^;;
なにせ解説するのが商売だからねー。話しは長いよ。しかも久しぶりだしねー。
ってことでここで無理矢理切ろう。
とりあえず読む1冊にはいいね、この本は。
環境省の生物多様性に関するHPで、生物多様性の解説ビデをを見つけた。HPの右の「映像ライブラリ」から見ることができるよ。 →私を押して。
こういう会議を成功させるのが、エゴを押し通すあの国やあの国ではない、武器を持って紛争を収めに行く国ではなくそういう国にはならない(で欲しいとボクは思う)日本の国際貢献のあり方だとボクは思うね。ガンバレ日本!
114.深海のとっても変わった生きもの [生物]
夏期講習の準備と夏期講習が終わり、8月の終わり、猛暑の東京を脱出して立山に登ってきました。4月以来のちゃんとした休みなのであるTT
ってだいぶ前の話になってしまった^^ゞ 忙しくて記事をなかなか完成できないので、とりあえず出しちゃお。
とにかく涼しいところへ行こうということで、山をチョイス。本当は北海道と思ってたんだけど、北海道も暑いので、立山へ。夏期講習で消耗した体力でも登れるのでね。
なにしろ他力で2450mの室堂まで行けちゃうからなぁ。3003mの山頂まで標高差は600m。大学生の頃なら走って登っちゃうところだぜっ。←うそ。でも下りは本当に走って降りてたもんだけどね。^^b
室堂のみくりが池から見た立山。室堂山荘に荷物を置いて食料と防寒具だけ持って山頂へ。
山頂は神社の境内になっていて拝観料を取られるんだぜっ。大学生の時は鳥居の手前を右に入って先へ向かった。次の山頂の方が標高が12m高いしね。^^
この辺はライチョウが多いんだけど、今回は見られなかった。見られたのはイワヒバリと、
ホシガラスと、
オコジョ。オコジョは動きが速いので写真は撮れず。イワヒバリとホシガラスも遠かったので、コンデジではちょっときついな。どこにいるか分かるかな。
もう花の季節ではないけど、雪渓があるのでまだヨツバシオガマなんかもちらほら見られる。
この時期一番多いのはチングルマの花の終わった後のタンポポの綿毛みたいなやつ。
ただタンポポの綿毛はがくの変化したもので、チングルマのはめしべの軸の変化したものらしいので、由来はだいぶ違うけどね。
いろんな動物やいろんな花があって、高山は楽しいよね。
しかもその多くが日本固有の種だったり、日本固有の亜種だったりする。ライチョウも日本固有亜種だね。
日本は固有の種や亜種(ちょっと変化してるもの)が多いそうだね。同じ中緯度の島国のイギリスと比べると、日本の生物の多様性はきわだつものがある…っというのの具体的な種数が載ってる本をこないだ読んだんだけど、テキスト等執筆のための資料の堆積の下に潜り込んでしまい、見つからなーい。
でも今読んでる本には、国際NGOコンサベーション・インターナショナルが発表した世界のホットスポット34カ所の中の1つであることが載ってるよ。
「ホットスポット」ていうのは、きわめて生物の多様性が高く、かつそれが危機に面している場所のことだよ。
→私を押して。 Conservation InternationalのHP 写真を見るだけでもおもしろいよ。
このサイトによれば、日本の植物の固有種率はなんと35%!、動物にいたっては固有種率はなんと49%!もある。でもその多くが絶滅危惧種だったり、あるいはカウントされる前に絶滅しちゃってるわけだよね。
ニホンオオカミとか、ニホンカワウソとかね。
今年は言うまでもなく国際生物多様性年だよね。
10月18日から名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれる。そこでそれ関連の本を紹介しようと思って、ここんとこ集中的に読んでるんだけど、記事を書くひまがないうちに、堆積の下の方にいって、どこにあるか不明本多しTT
まぁでもちょっとずつ紹介していきましょう。
「生物多様性」と言われれば、まず頭に思い浮かぶのは、いろんな地球にはいろんな珍しい生物がいて、それが絶滅しそうなので、あるいは熱帯雨林や珊瑚礁を守らねば!ってとこだろうけど、実は今回議題に上るのはそういうことじゃない。
正確には「そういうことだけじゃない。」なんだけど、でも中心は「そういうことじゃない。」
新聞ではいろいろ報道されてるから知ってる人も多いはずだけど、その辺の話はおいおいしていこう。(次回の更新はいつだ?^^;;)
とりあえずは、やっぱりどれほど多様な生物がこの世界にはいて、それがお互いにどう関わり合っているかを知ることが重要だよね。
中学の学習範囲で言えば食物連鎖だね。
さて、今週の本は海洋生物機構JAMSTECの研究者藤原義弘さんが撮った深海の珍しい動物たちの写真+解説集「深海のとっても変わった生きもの」。
実際の調査・研究の課程で撮られた驚くべき多様な生き物たちの写真はきれいでワンダーに満ちてる。
数年前からこの手の“珍”生物本は多く出てるけど、たいていは珍しさだけを強調した、なんだろう、お祭りの化け物展示みたいな感じのなんだか品性の低い本だけど、この本はさすがに研究者の作った本だけに、ていねいな、最新の研究成果の解説もついていて、“読むならこの1冊”っていうおすすめ本です。
ちなみに、それぞれの種名がそれぞれの生物に関係した色になっているというこりかた(これはJAMSTECでプロジェクトの統括なんかをしている従姉妹から聞いた)で、とても美しく仕上がってる本だよ。
ま、欠点としては、美しい写真を追求しすぎたあまり、全体像がよくわからない種もある。サツマハオリムシとかね。でもそれを補ってあまりある深海の神秘が味わえる美しい本でした。
◆中学生で読める度:★★★★★
◆内容充実してる度:★★★★☆
多様性年にあわせて開かれてると思われる上野の科学博物館の海の大哺乳類展にやっとこの間行ってきました。 →私を押して。
なかなかおもしろかったよ。
一番見たかったのはシロナガスクジラの骨格標本。でっけぇー!さすが地球最大。
鯨類の祖先。まだ足があるよ。
初めの鯨っぽい鯨。長ーーーーーーーい!
今週で終わってしまう(9月26日の日曜まで)ので、すぐにレッツゴー!
お土産はいつものガチャガチャ(ナガスクジラがオキアミを飲み込んでるとこ)と…
いつものクリアファイル。カワユ
いやぁ久々に書いたので、いろいろあって長くなってしまった。すまぬな。
日付が先週の水曜になってるけど、これは記事の入ってるフロッピィをいじってたら日付が変わってしまっただけで…
113.モグラ博士のモグラの話 [生物]
昨日、葉山の神奈川県立近代美術館に「ユーリー・ノルシュテイン展 話の話」を見てきたよ。
相変わらず忙しいんだけど。3週間振りの完全休養…にした。やらなきゃいけないことはたくさんあるんだけど。
ノルシュテイン展は良かった。「霧の中のハリネズミ」の絵コンテなんかも来ていて。
日曜までなので興味のある人は早めに葉山にレッツゴー!
見終わった後、森戸神社の海岸で波の写真を撮ったりしながら、夕闇を待ち…
波の表情は一つとして同じものはなく、いつまで見ていても飽きないよね。
そして金星だー
下は鎌倉の灯。上の方に金星があるんだけど、見えるかなぁ。
今は宵の明星だね。しばらくはよく見えるよ。日没後の西の空だよー。
久々に本の紹介もしとこ。今日はやらなきゃいけないけどやれないでいたことをいろいろやってる。
今回の本「113.モグラ博士のモグラの話」は「110.ミミズのいる風景」に続いて読んだんだけど、アンダーグラウンドシリーズ、だね♪、
モグラは日本に6種類いて、代表的なのは関東以北がアズマモグラ、中部以西がコウベモグラらしいよ。↓はアズマモグラ。wikiより。
さて、モグラの研究といえば今泉吉晴氏の“空中モグラ”だよね。
荒い目の金網で直径10㎝ぐらいのトンネルをつくって空中に張り巡らし、そこをモグラがするすると動いていく。
多摩動物園の空中トンネルの動画があったよ。 →私を押して。
自然の中でモグラってなかなか見られないよね。僕は山登りの途中で1回見ただけだなぁ。
でもモグラ塚はよく見る。東京でも代々木公園なんかで見られるし、大学のキャンパスでもよく見られる。
今回、もう一ヶ月前になっちゃったけど、代々木公園に探しに行ってきた。人がよく踏むところにはいないだろうから、入って右側の明治神宮沿いに探したらあったよ。
奧のサイクリングロードのまわりに。
あっちにもこっちにも。
これは今朝掘ったような感じだねぇ。
この本は、まずモグラの、特に日本に住んでるモグラの一般的な話から始まる。で、日本には6種類いるわけだね。
次に著者でモグラ研究者の川田伸一郎氏の、学生時代のモグラ研究生活のスタートから、一時実家のクリーニング屋さんを継ぎ、でもまた研究者生活の飛び込んで今に至るまでが書かれている。
この部分は将来研究者になりたい人には参考になるかもしれないね。
順調に研究者になる人もいるけど、そうじゃなくいろいろあってやっと自分の道を見つける人もいるわけで、でもどっちもチャンスを逃がさないように頑張るのは同じなんだな。
最後はモグラの分類学で、形態学的アプローチと遺伝学的アプローチの二つが示されている。
いろんなエピソードもちりばめられているので、中学生にはちょっと難しいところもあるけど、面白く読めると思うよ。
◆中学生で読める度:★★★★★
◆内容充実してる度:★★★★☆
- 作者: 川田 伸一郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/08
- メディア: 岩波ジュニア新書634
価格 : 819円
しかし、モグラもそうなんだけど、いろいろな生物の今までの分類が、DNA解析によってずいぶんと変わってきたね。
例えば植物の双子葉類-単子葉類も、今は「植物は大きく2つに分かれます」的に教えてるけど、実はそんなに変わらないらしい。そのうち教科書内容が変わるかも。
ちょっと宣伝。
7月3日(土)の14:30からZ会渋谷教室で、中3生向けに「2010年度学芸大附属高校入試問題解法と難関校入試向け勉強方法」っていうイベントをやります。
今年の学大附高の入試問題の解き方を解説し、プラス今何を勉強しておくべきか、これからどうやって勉強していくべきかといったことを話しますです。
理科は僕が話す事になってます。学大附高を受けたい人、良かったら参加してくださいね。
詳しくはこちら。 →私を押して。
wwwこれで話すことも考えなくちゃいけないし。
すみません、またしばらく消えますです。
112.細胞発見物語 [生物]
上岳村便り
タラちゃんとウドは目覚めませんな。村長さん、何とかしてくれや。
ゴボウ爺は健在で、もう葉っぱが5枚になった。
この5枚目の葉っぱがちょうど1枚目の葉っぱの反対側に来たので、540÷4=135゜、つまり葉っぱが1枚出るごとに135゜ずれて、上の葉と重ならないようにする輪生でであることがよくわかる。
もちろん下の葉が日陰にならないように、多くの葉に陽の光がよく当たるようにという植物の葉のつけ方の戦略だね。
さて、先週にひき続き細胞の本を。
山科正平著「細胞発見物語(ブルーバックス)」は、 細胞内の微小器官について、例によってのフックの細胞の発見(実は細胞ではなく細胞壁を見ていたわけだけど)から始まって、各器官の発見物語とその役割について分かりやすく説明してくれる。
フックの観察した“細胞”のスケッチは先週の記事で貼ったので今日は貼らないけど、観察したのはコルクの樹皮で、細胞だと思ったのは実は細胞壁だった。細胞壁は細胞のまわりを取り囲んでいる接着剤の部分だから、細胞はここには全くない。(´д`)
でも「cell(細胞のこと)」という用語を使ったので、細胞の発見者とされてる。でもでも細胞を見ていないので、フックを“細胞の発見者”とするかどうかは異論があるようだ。
日本語の「細胞」の命名者は江戸時代の宇田川榕庵(ようあん)という人だとこの本に書いてありましたよ。
さてこの本は、次に細胞の研究には欠かせない顕微鏡、特に電子顕微鏡の発達史にけっこうページを割いてる。。
僕も大学院時代ずいぶん使ったけど、数年前まで日本製が世界のシェアの多くを占めてた。日本電子製とか、日立製とかね。
僕がよく使ってたのは、普通の顕微鏡のような使い方をする透過型というやつで、日本電子製だったかな、でかい、とにかくでかい。電源も入れると6畳ぐらい?もう細かいことは忘れちゃったけど。
前の記事で使った僕が撮った写真、ただし家にあるのは失敗作^^;、をまた貼っときましょう。
左上が核だね。その下でとぐろを巻いてるのが小胞体。右上のプチプチが入ってるのはミトコンドリアだね。
これはニジマスの精巣で、まっくろ黒すけが精子本体。そのまわりの小さい丸いのがべん毛の断面で、よーく見るとまわりが9本の微小管の集まりでできてるのが分かる。
ところで今は双眼実体顕微鏡的に使う走査型で、机に乗るちっちゃいのがある。値段も数百万円。一応僕の「宝くじで3億円当たったら買うものリスト」に入ってる。^^b
同じく欲しい人は見積もりのページへどうぞ。 → 私を押して。
いきなり見積もられたりしないからリンクへ飛んでも大丈夫だよ。^^;
本では続いて細胞膜を初めとする細胞の膜に話しがうつる。
生物を詳しく勉強した人ならよく知ってるはずだけど、つまり中高生はここに考えがあまり至ってない、この「膜」こそが生命活動の本質で、我ら生命の大発明で、電子顕微鏡の大発見だね。だから膜にはもう「 」をつけちゃうよ。
生命の情報は遺伝子にあるわけだけど、その情報の内容は「膜」によって初めて発現するわけだ。「膜」凄しっ
ただ光学顕微鏡では見えないので、特に中学での扱いは「…細胞は細胞膜に包まれている。次に…」みたいな感じでとても軽い。僕は授業でちょっと強調目に説明してるけどね。
このあとゴルジ体やらミトコンドリアやらリソゾームやら、発見のエピソードとはたらきが載っていて、とてもおもしろいよ。
分子モーターやらiPS細胞やら、最近の研究成果も載ってる。
中学生でも面白く読めるし、大人が読んでも面白いと思いマスです。
◆中学生で読める度:★★★☆☆ ★4つでも良いんだけど、中学内容よりはるかに詳しいので、一応★3つにした。
◆内容充実してる度:★★★★★
最近買って読んでる本からもう1冊。
3分冊で刊行が始まった同じくブルーバックスのD・サダヴァ他著「アメリカ版大学生物学の教科書」の第1巻「細胞生物学」。
これは中学生には読めないよー。ということで番外にした。
高校生でも論説文を読み慣れてない難しいな。ようは大学向けの教科書だからね。しかもマサチューセッツ工科大学あたりが使ってるらしい。
逆に言えばものすごく詳しい。
学附高生のレポートのためのアドバイスとしては、これを全部読むのは無理だから、「細胞膜」とか、「光合成」とかレポートのテーマを決めたら、そこのところを読んでみるといいかもね。
あとは生物オリンピックを目指してる人も読むと良いんじゃないでしょうか。まだ1/3しか刊行されてないけど。
第2巻が「分子遺伝学」、第3巻は「分子生物学」。まだ出版されてないけど、これはたぶん論説文を読み慣れてる高校生にも無理だろうな。 「分子」がついちゃうと。
カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学
- 作者: クレイグ・H・ヘラー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/02/19
- メディア:ブルーバックスB1672
価格 : 1365円
学大附高1年生にはもうレポートが出されたようだけど、今年は細胞じゃなくて花の色素についてかなんかのレポートのクラスもあったようだ。
っというか、毎年細胞だけじゃない?でも細胞は生命の基本だから重要だよ。←自分へのフォロー^^;
山椒の雄花を入れた海鮮寄せ鍋をやりました。鮮烈な味で大満足
1年に1度の贅沢だね。来年もやろうっと
111.細胞のはたらきがわかる本 [生物]
上だけゴボウ飼育日誌
上岳村に仲間が増えました。^^
なにしろ初めて見るゴボウの葉っぱに感動してしまったわけよ。
タラの芽と山ウドの上だけを水栽培してみた。
まぁこの2つは山歩きをしてるとよく見るので、葉っぱは知ってる。山ウドは花もよく咲いてる。
とにかくちょと仲間を増やしてみた。^^; 村長さんも置いてみました。
猫の額よりは広くて猫の肩幅よりは狭い感じのうちの庭でもいろいろ芽吹いていて、あのちっちゃい芽がみるみる大きくなって花が咲いたり、葉っぱが出たりする様は、まさに生命の不思議さを実感させてくれる。
これは二輪草。GWにやる本門寺の植木市でちょっと前に買ったやつ。だいぶ殖えた。
これは山椒の若芽と花。毎年いっぱい咲くんだけど実がならないんだよね。
雄木と雌木があるのか?と今調べたら雌雄異株だった。
orz青い実の塩漬け好きなのに。
でも花も食べるみたいだなぁ。鍋に入れるとか書いてあるけど…
さて、生命の基本単位は細胞。細胞膜に包まれた細胞だね。この“細胞膜に包まれてる”っとところが重要だ。なにしろただ者ではない“膜”だからな。
いくら細胞膜は普通の顕微鏡では見えないといっても、“膜こそ生命の担い手”と言えなくもないんだから、中学でももう少し細胞膜について教えればいいのに。と、思う。
僕の教え子で割合が一番多い進学先はここ15年ぐらい学大附高なんだけど、前にも書いたことがあるけど、だいたい毎年30名ちょっとで、これは学大附高生の1割りぐらいにあたる。
ちなみにZ会全体では60~70名ぐらい。
なので学大附高の情報がいろいろ入ってくる。
誰それのボーイフレンドは2代目なんだとか、誰それはめめしいと女子に総スカンを食らってたんだけど今じゃ可愛い子とつきあってるとか…ま、それは置いといて、そういう情報はもすごく多いんだけど^^、今週はどういうレポートが出たとか、どういう実習に行っただとか、文系・理系の進路調査があっただとか、そういう学生生活上のことを知る機会が多い。
で、学附高はレポートだらけなんだが、筑附高も多いけど学附高の方がタイトな気がする、高校1年の最初のレポートが細胞についてなんである。
これが苦労するらしい。課されたテーマ通りに書くと数行で終わってしまうので、各自工夫して、いろいろ調べて書かなきゃならないんだそうだ。
たしか基本は「フックが観察した“細胞”(実は細胞壁だったわけだが)について」みたいな感じだからな。
↑ フックのスケッチ。wikipediaより。実は見ていたのは細胞壁で、レンガの壁で言えばレンガが抜けた後のセメントだけになったようなやつ。
見ていたのが細胞じゃないのでレポートにならない。そこでみんないろいろと細胞の本を読むわけだ。まぁそれがこのレポートの真の狙いなんだろうけど。
そこで苦労する君のために、別に学附高生じゃなくても多くの学校は高1で生物をやり、その最初が細胞でしょう、そして中3生もこの時期細胞について習うはず、一番分かりやすい細胞の本を紹介しよう。
伊藤明夫著「細胞のはたらきがわかる本(岩波ジュニア新書)」だ。次回ブルーバックスの細胞の本を2冊紹介する。
この「細胞のはたらきがわかる本」は高校の細胞学の入門書として、あるいは生物学の入門書として、あるいは高校の科学の入門書としてなかなか良いと思うよ。そして中3生でもなんとか読めるかな。
「生命の基本単位は細胞」とさっき書いたけど、「細胞から成り立っている」というのが生命の定義の一つだね。今のところ。いろいろな生物が発見されると変わるかもしれない。
すでにウィルスはこの定義からはずれてるからね。やつらにゃ細胞がない( ̄○ ̄;)。遺伝子を収めたケースはあるけどね。細胞膜でできてるわけじゃないただのケースだ。だからこの定義でいうとウィルスは生物じゃない!ってことだね。
ウィルスについては前に紹介した岩波ジュニア新書の「ウィルスって何だろう」 →私を押して。 を読むと良いよ。去年から一応中学で「DNAっつーんです。」ぐらいは習ってるけど、やっぱり中学生にはDNAのところが分かりにくいだろうけど。
「細胞のはたらき…」だけど、細胞分裂の話しになり、多細胞生物では細胞が連携して生命を維持しているという話しになる。どっちも生命の定義として重要だ。
最後に本の内容は細胞の中で起こっている様々なはたらきについてになる。
細胞が全体として、ネットワークを組んでどのように働いているかが書かれている本だ。
中学生にはちょっと背伸びな内容だけど、とばしつつなんとか読み進められるでしょう。
まさに「細胞のはたらき」を教えてくれる本ですな。
中学では細胞についてさらっとなでるだけなので、「で、細胞って何?」「で、細胞ってどこにあるの?」となってしまいがちだけど、細部が働いて生命が成り立ってるって事が何となく分かってくるんじゃないかな、この本を読むと。
◆中学生で読める度:★★★☆☆
◆内容充実してる度:★★★★☆
細胞内の各器官のはたらきについては、来週紹介する本に詳しい。今日の本が細胞としてにはたらきで、来週の本が細胞の中のはたらきだ。両方読むと良いね。^^b
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