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112.細胞発見物語 [生物]

上岳村便り

P1070364のコピー.jpg

 タラちゃんとウドは目覚めませんな。村長さん、何とかしてくれや。

 ゴボウ爺は健在で、もう葉っぱが5枚になった。

 この5枚目の葉っぱがちょうど1枚目の葉っぱの反対側に来たので、540÷4=135゜、つまり葉っぱが1枚出るごとに135゜ずれて、上の葉と重ならないようにする輪生でであることがよくわかる。

 もちろん下の葉が日陰にならないように、多くの葉に陽の光がよく当たるようにという植物の葉のつけ方の戦略だね。

 

 さて、先週にひき続き細胞の本を。 

 山科正平著「細胞発見物語(ブルーバックス)」は、 細胞内の微小器官について、例によってのフックの細胞の発見(実は細胞ではなく細胞壁を見ていたわけだけど)から始まって、各器官の発見物語とその役割について分かりやすく説明してくれる。

 フックの観察した“細胞”のスケッチは先週の記事で貼ったので今日は貼らないけど、観察したのはコルクの樹皮で、細胞だと思ったのは実は細胞壁だった。細胞壁は細胞のまわりを取り囲んでいる接着剤の部分だから、細胞はここには全くない。(´д`)

 でも「cell(細胞のこと)」という用語を使ったので、細胞の発見者とされてる。でもでも細胞を見ていないので、フックを“細胞の発見者”とするかどうかは異論があるようだ。

 日本語の「細胞」の命名者は江戸時代の宇田川榕庵(ようあん)という人だとこの本に書いてありましたよ。

 

 さてこの本は、次に細胞の研究には欠かせない顕微鏡、特に電子顕微鏡の発達史にけっこうページを割いてる。。

 僕も大学院時代ずいぶん使ったけど、数年前まで日本製が世界のシェアの多くを占めてた。日本電子製とか、日立製とかね。

 僕がよく使ってたのは、普通の顕微鏡のような使い方をする透過型というやつで、日本電子製だったかな、でかい、とにかくでかい。電源も入れると6畳ぐらい?もう細かいことは忘れちゃったけど。

 前の記事で使った僕が撮った写真、ただし家にあるのは失敗作^^;、をまた貼っときましょう。

10427362.jpg

 左上が核だね。その下でとぐろを巻いてるのが小胞体。右上のプチプチが入ってるのはミトコンドリアだね。

10427430.jpg

 これはニジマスの精巣で、まっくろ黒すけが精子本体。そのまわりの小さい丸いのがべん毛の断面で、よーく見るとまわりが9本の微小管の集まりでできてるのが分かる。 

 ところで今は双眼実体顕微鏡的に使う走査型で、机に乗るちっちゃいのがある。値段も数百万円。一応僕の「宝くじで3億円当たったら買うものリスト」に入ってる。^^b

 同じく欲しい人は見積もりのページへどうぞ。 → 私を押して。

 いきなり見積もられたりしないからリンクへ飛んでも大丈夫だよ。^^;

 

 本では続いて細胞膜を初めとする細胞のに話しがうつる。 

 生物を詳しく勉強した人ならよく知ってるはずだけど、つまり中高生はここに考えがあまり至ってない、この「膜」こそが生命活動の本質で、我ら生命の大発明で、電子顕微鏡の大発見だね。だから膜にはもう「 」をつけちゃうよ。[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]

 生命の情報は遺伝子にあるわけだけど、その情報の内容は「膜」によって初めて発現するわけだ。「膜」凄しっ[exclamation][exclamation][exclamation]

 ただ光学顕微鏡では見えないので、特に中学での扱いは「…細胞は細胞膜に包まれている。次に…」みたいな感じでとても軽い。僕は授業でちょっと強調目に説明してるけどね。

 このあとゴルジ体やらミトコンドリアやらリソゾームやら、発見のエピソードとはたらきが載っていて、とてもおもしろいよ。

 分子モーターやらiPS細胞やら、最近の研究成果も載ってる。

 中学生でも面白く読めるし、大人が読んでも面白いと思いマスです。 

 

◆中学生で読める度:★★★☆☆   ★4つでも良いんだけど、中学内容よりはるかに詳しいので、一応★3つにした。

◆内容充実してる度:★★★★★    

細胞発見物語 (ブルーバックス)

細胞発見物語

  • 作者: 山科 正平
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/10/21
  • メディア: ブルーバックスB1655
    価格 : 903円

 

 最近買って読んでる本からもう1冊。

 3分冊で刊行が始まった同じくブルーバックスのD・サダヴァ他著「アメリカ版大学生物学の教科書」の第1巻「細胞生物学」。

 これは中学生には読めないよー。ということで番外にした。

 高校生でも論説文を読み慣れてない難しいな。ようは大学向けの教科書だからね。しかもマサチューセッツ工科大学あたりが使ってるらしい。

 逆に言えばものすごく詳しい。

 学附高生のレポートのためのアドバイスとしては、これを全部読むのは無理だから、「細胞膜」とか、「光合成」とかレポートのテーマを決めたら、そこのところを読んでみるといいかもね。

 あとは生物オリンピックを目指してる人も読むと良いんじゃないでしょうか。まだ1/3しか刊行されてないけど。

 第2巻が「分子遺伝学」、第3巻は「分子生物学」。まだ出版されてないけど、これはたぶん論説文を読み慣れてる高校生にも無理だろうな。 「分子」がついちゃうと。

 

カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学 (ブルーバックス)

カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学

  • 作者: クレイグ・H・ヘラー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/19
  • メディア:ブルーバックスB1672
    価格 : 1365円

 

 学大附高1年生にはもうレポートが出されたようだけど、今年は細胞じゃなくて花の色素についてかなんかのレポートのクラスもあったようだ。

 っというか、毎年細胞だけじゃない?でも細胞は生命の基本だから重要だよ。←自分へのフォロー^^;

 

 山椒の雄花を入れた海鮮寄せ鍋をやりました。鮮烈な味で大満足[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]

 1年に1度の贅沢だね。来年もやろうっと[るんるん][るんるん][るんるん]


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アヨアン・イゴカー

>上の葉と重ならないようにする輪生
植物は螺旋状に成長してゆくと言うのは、昔から妻とよく話していることではありますが、それにしてもこうやって数値にするととても説得力あるダス。

すうちい先生、電子顕微鏡使っていたんざますか?凄い!!
by アヨアン・イゴカー (2010-05-01 22:07) 

optimist

>540÷4=135゜、つまり葉っぱが1枚出るごとに135゜ずれて
フィボナッチ数って奴ですね。
千葉市科学館で、黄金比とフィボナッチ数の展示を見たのを思い出しました。
by optimist (2010-05-02 00:54) 

エルドラド

ただいま免疫を勉強中であります。
(免疫といえば、8日に横浜市立大の免疫についての実験・講義に参加します。10名募集でいけることになったため、高校生はもしかしたら1人かも・・・とか思ってますが、大学見学も兼ねて)

細胞発見物語は図書館で借りてきて今家にあります。
ブルーバックスは興味深いものがたくさんありますが、たくさんあるので全部買うのはちょっと・・・という気がして(汗

これは今後にも役立つ!というのがあったら教えてください。
アメリカ版のは2、3巻も買うつもりです。
by エルドラド (2010-05-02 20:58) 

すうちい

>アヨアン・イゴカーさん こういう螺旋状やら対称性やら、進化の末とはつまり偶然の産物なわけですが、なんか超越したものを感じてしまいます。
それは電子顕微鏡を覗いているとさらに感じるんですよね。
こんな微小な構造にまで!って感じです。^^
by すうちい (2010-05-03 01:06) 

すうちい

>optimistさん 3/8回転ですな。
そう、黄金比のものもあるみたいですね。
うーむ、自然には神が宿ってる。^^
by すうちい (2010-05-03 01:09) 

すうちい

>エルドラドちゃん 免疫といえばこないだ亡くなった多田富雄氏。
「免疫の意味論」と「生命の意味論」はおもしろいよ。図書館にも絶対あるはず。

アメリカ版は1年生に貸しちゃったから、まだ途中までしか読んでないや。

「新しい発生生物学」はわりと分かりやすい。貸してあげようか。
あとはなんだろうな。
考えとくよ。
by すうちい (2010-05-03 01:19) 

エルドラド

その2冊、探してみます!!

by エルドラド (2010-05-03 11:17) 

すうちい

^^
by すうちい (2010-05-03 15:35) 

batta

キャベツの葉をはがす時、どっちか回りに順番にはがしてゆくとはがしやすいです~。
ところで、我が家ではキャベツのちっちゃくなったのを水につけておいたら
めでたく花が咲きました。(^^♪
by batta (2010-05-05 14:03) 

すうちい

battaさんのブログで見ましたよー♪
やってみたし。^^
by すうちい (2010-05-17 07:40) 

バーバリーブルーレーベル

今日は~^^またブログ覗かせていただきました。よろしくお願いします。
by バーバリーブルーレーベル (2013-08-03 14:04) 

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