97.有限の生態学 [生物]
16日の市川高校を皮切りに教え子の高校入試が始まった。理科が関係するところとしては17日の東邦大東邦、18日の渋谷幕張からスタート。日程としては東工大附属高校の推薦入試が一番早いんだけど、今年は僕の教え子で受ける生徒がいない。
17日の東邦は、まだ全員を把握していないけど、みんな頑張ったようで、なかなかうまくいってる。問題を持ってきてくれたF君は15分で終わったと言ってた。確かにパターン問題ですな、それなりに難しいが。もうちょっと難しくてもおもしろかったのに。←うまくいってるので強気デバ 〃゜⊆⊇ー
18日の渋幕も知ってる範囲ではうまくいってるけど、まだ半分ぐらいしか結果を把握してない。1年よく勉強してきたんだから全員受かってるといいけどなぁ。明日お茶の水校で結果を見る。ちょっとドキドキ。
渋幕は問題を回収されるので問題内容が詳しくは分からないが、「プラハの天文時計」というのが出たらしい。You Tubeを探したら映像があった。(高い受験料とっといて問題回収ってどういうこと?)
↓ こういう風に動くらしいよ。太陽の黄道上での動きやら月の満ち欠けやら20ぐらいのことが分かるらしい。
wikipediaによれば、元々は15世紀に作られた時計らしいけど、その後たびたび修復・追加をされて今の形になってるんだそうだ。受験して受かったS君の情報では、なんと新宿アイランドにレプリカがあるらしい。今度見てきますです。
明日も慶応女子推薦を始め、いろいろ推薦入試がある。中学入試も真っ最中でしょう。大学入試もね。
理科が関係するところとしては、28日の東邦大東邦後期、そして公立の推薦(呼び方は県でまちまちだけど)までが前半戦、そして中盤は2月10日の開成、13日の国立附属高校、後半戦は各公立高校入試。教え子が一番多いのは13日の国立。60人ぐらい受ける。
みんなガンバレー! 去年作った「オクトパス=置くとパス(合格)」の写真を今年も載せておきましょう。教え子&このブログを見てくれてる人関係者がパスしますように。(〃ゝω・人) それ以外の受験生もガンバってね。
一番右のは組み立て式。去年作って、セブンイレブンのコピーからプリントアウトできるようにしたやつ。一応今年もアップロードしといた。番号は「11226502」。これをセブンイレブンのコピー機のネットプリントへ入れれば良い。1枚60円だったかなぁ。最近使ってないので忘れちゃった。明日お茶の水校の下のセブンイレブンでプリントアウトしてみよ。
さて、このブログも始めてはや2年近く。ついに97冊目。間もなく予定の100冊になる。始める前は「100冊なんて簡単」と思ってた。科学関係の本は文庫・新書だけでかるく100冊以上は読んでたからね。岩波新書だけで30冊ぐらいかな。
ところが始めて見ると、岩波新書は廃刊、重版未定のあらし。(*´Д`)=3 今出ているものもあらためて読み返してみると中学生にはなかなか読めない。そこでメインターゲットを岩波ジュニア新書にしてみた。岩波ジュニア新書はこれまであまり読んでなかったので、僕にとってはなかなかおもしろい、エキサイティングな2年間でした。
さてさてその使えなかった岩波新書だけど、このブログを始めるにあたって、まず頭に浮かんだのがこの1冊、栗原康著「有限の生態学」だ。たぶん高校生の頃に読んで、感動した。
「ある日、瓶の中をなにげなく顕微鏡でのぞいてみた。この水は三ヶ月ほど前に竹の煮汁を入れて、そのまま野外に放置しておいたものである。」から本文は始まる。
放置しておいた三ヶ月の間に、空気中から バクテリア、原生動物、クロレラ、ラン藻、ワムシなどいろいろな生物が飛び込み、それらの生物が増えたり減ったりしながら、瓶(ビン)の中に調和した宇宙(ミクロコズム)を作り出していたのだ。
著者はそこで「このたくまずして作られた生物共同体の安定と共存の秘密を解くために」一連の実験と考察を行い、それをこの本にまとめた。話は次に牛の胃の中の微生物の共栄システムに移り、宇宙基地という閉鎖空間での、もちろん人間を含めた共存システムの話になっていく。
どこに感動したかというと、ふと見た水の中の生態系からそれらの関係を数量的にとらえ、システムとして全体を見通していったところだ。さらに、システムとして全体を見通したことで、今(本の初版は1975年)は無い宇宙基地の生態系を鮮やかに構築してみせたことだ。
このブログの最初の頃に書いたけど、僕が通った高校の生物の太田先生の授業は、初めて出会う“学問”で、学校生活10年目にして初めて夢中になって聞いた授業だった。それは個々の生命現象について深く教えてくれた。でもこの本にはそれとは違う形の、システムとして数理的に生物を扱う生物学が詰まっていたんだ。
「なんて世界はおもしろいんだろう…」と思ったんだよね。世界のとらえ方(の一つ)を教えてもらったような気がしたんだ。
ひっさびさに読み返してみると、全体を通す柱は食物連鎖だから、中32学期以降なら分かる。ただし、“遷移”の発想が今の中学の理科では弱いし、一番おもしろいシステムとしてとらえるところも中学生には厳しいな。
ただ“瓶の中のミクロコズム”における生物種の遷移の話は数年前まではよく高校入試で出た。川に有機物が流入するとバクテリアが増え、原生動物が増え、植物プランクトンが増え、バクテリアが減り、…っていうやつだ。Z会のテキスト群にも数問入ってる。
まぁ、でもちょっと難しいですかね。今週は僕の思い出の書ということです、ハイ。
◆中学生で読める度:★★★☆☆
◆内容充実してる度:★★★★★ ちょっと内容が古いところもあるんだけど、これは僕としては★5つは譲れないな。
100冊まであと3冊。今週を入れて4冊はもうだいぶ前から決めてある。ちょっと“中学生の理科”からはみだしちゃうけどね。^^
あっ、100冊が終わっても続けますよ、このブログ。ただ「毎週1冊紹介」はやめるけど。全部読んでる、いやボツにしたのもあるからそれ以上に読んでるので、さすがにこのまま続けるのはちょっと辛い。^^;
本と関係ないネタと時々理科の本の紹介で続けていきたいと思ってます。理科以外の本も読みたいし。
ちょうど国立附属高校の入試の頃いったん終了。さぁ、ラスト3週。僕も頑張らねば。
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>「プラハの天文時計」
あぁ、複雑な動きするからいやんなんっちゃう!
眠い時に見ると、眠りの渦巻きの中に吸い込まれてしまうような動きデバ。
むむ、でも面白い。
早いものですね。昨年、すうちい先生がオクトパスを紹介されていて、面白いと思ったのが、ほんのつい最近のことのように思われます。
by アヨアン・イゴカー (2009-01-22 01:01)
プラハの天文時計、複雑な動きですね。
昔、歯車の組み合わせていろんな模様が描けるおもちゃでよく遊んだのを思い出しました。穴の位置によって、全然違う模様が描けるヤツ…分かるでしょうか~? ぐるぐる回る動きが面白くて、描きながらみとれていたものでした。
100冊までいよいよカウントダウンですね~! 頑張ってください~!!
そして、100冊が終わってからも、刺激をいただける記事を楽しみにしています。
by めりっさ (2009-01-22 07:39)
>アヨアン・イゴカーさん 覚えてます。たしか後ろの蛸薬師がお気に入りだったような。^^
こういうのをつくる人の機械にこめる魂ってすごいですよね。まl、立体置くとパスもちょっと魂がこもってますけど。
by すうちい (2009-01-22 12:00)
>めりっささん 買いましたよ~。
小学校の時、正門の横のちょっととした空きスペースにときどきいろんな○○屋が出るんです。
クルクル回すやつとか砂絵セットとかひよことか…。必ずひっかかって、家にすっ飛んで帰って買ってくれって言うんですけど、まぁ、たいていだめでしたね。orz
100冊がんばりまーす。^^
by すうちい (2009-01-22 12:08)
『有限の生態学』面白そう。
幼少の頃葉っぱを水と混ぜてぐちゃぐちゃにして
瓶につめ日光に当て何日かしたところを顕微鏡で
覗いて化学者ごっこをしておりました。
覗いた世界はすごかった記憶がありますが。。。
細かいことは覚えてないデバ;
by mistletoe (2009-01-23 16:51)
最後の3冊は
「冗談でしょう、ファインマンさん!」(ファインマン著)
「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」(中西輝政著)
「覇権の終焉」(中西輝政著)
とかどうです?笑
おもしろいっすよ、科学あんま関係ないけどw
by zyume (2009-01-23 22:24)
>mistletoeさん 何日→何週間 で見ればもっとすごかったのになぁ。
うちでも水槽にいつのまにかミジンコが殖えてたり(まめに見ろよー)しますからね。微生物はおもしろいデバ。
by すうちい (2009-01-23 23:13)
>jyumei君 たしか君は中3のときに「冗談でしょう、ファインマンさん!」を読んでたよな。それが頭にあっていつも取りあげようかどうしようか迷うんだけど、ちょっと難しいので後回しにしてる。まぁ、そのうちとりあげるよ。
センター模試はどうだった?うまくいったかね。
他の連中もうまくいったのかな。論理がへぼい藻駅とか。
第一志望に受かると良いがな。健闘を祈る!
by すうちい (2009-01-23 23:20)
サンゴの共生が地球の環境を
変えたともいわれるので微生物大切に
したいものです。
by サプライ (2009-01-26 20:06)
地球が生物を変え、生物が地球を変えていったんですよね。
微生物って本当に不思議。
by すうちい (2009-01-26 23:08)
「プラハの天文時計」を見ていたらその前でチェコの伝統的なフォークダンスを踊る一団がやってきて踊りだしました。
時計よりもダンスの方が注目度が高かったような。
保存が素晴らしいと思ったら何度も修復されているんですね。
by いっぷく (2009-01-29 05:18)
相変わらず何でも見てらっしゃいますよねー。
時計は短時間見ててもね。
上の人形も今となってはちょっと地味だし。
新宿のレプリカは人形もついてるのかな?
by すうちい (2009-01-30 13:42)
いよいよシーズン突入なんですね。
私も予備校に仕事をしに行っていたコトも有ったので、何となく雰囲気は分かります。
プラハの天文時計、こういうハードだけで実現しているシステムって、スゴイ惹かれます。カラクリ人形とか・・・。
ミクロコズムも、面白そうですね。
by SAKANAKANE (2009-01-31 21:42)
真っ最中でごんす。
こういう職人の技って驚くべきもんがありますよね。
天の才ですね。
メダカを1匹入れて封をして完全な生態系、ミクロコズムを作ってる人もいます。私もそのうちやってみよ。怠け者だから向いてるかも。^^;
by すうちい (2009-01-31 22:48)
あれ???1冊も読んでない… 自分がいま読んでる本をGoogle+だったかブログで紹介してるけど
by 矢口?里 刺? ?東連合 (2013-07-07 16:48)